ジョンソンスコア
TESEが終わって、病理検査の結果を聞きました。
TESEでは、手術で取った組織を病理検査に出し、染色し改めて調べることで、組織の内部構造を知ることができます。簡単にいうと、精巣内はどのくらいのレベルの細胞があるのか。
ジョンソンスコアのカウント
10 完全な造精機能や精細胞層が厚く正しく配列し、内腔があり数多くの精子を認める
9 多くの精子を認めるも精細胞配列が不規則で内腔が狭い
8 精細管内に精子を5~10匹程度認める
7 精子は認めず、精子細胞を多数認める
6 精子は認めず、精子細胞を5~10認める
5 精子、精子細胞は認めず、精母細胞を多数認める
4 精子、精子細胞を認めず、精母細胞を数個認める
3 精粗細胞のみ認める
2 精子細胞は認めず、セルトリ細胞のみ認める
1 繊維成分のみで細胞組織なし
私の夫は、ジョンソンスコア5
精粗細胞、精母細胞は見られますが、明らかな精子細胞や精子は見られません。
とのことでした。
ここで、出てきたのが、タイトルにあるMaturation arrest
Maturation arrestって何?
maturation arrestとは、言葉の意味は成熟停止。
精子形成が精母細胞などで分化が停止することを言います。
夫の細胞は、1次精母細胞で止まっていました。というのも、1次から2次に分化する際、減数分裂を行うのですが、これが難しいらしいのです。先生のお話だと、減数分裂を行ったものは、精子細胞になるとのことで、2次精母細胞で停止しているのは、ほとんど見たことないとおっしゃってました。
Maturation arrest(MA)にも段階があり、
- early MA(ジョンソンスコア4−5)
- late MA(ジョンソンスコア6−7)
があります。
Maturation arrestの嫌なところは、天から地へ落とされるところ。
私たち夫婦もそうでしたが、Maturation arrestの患者は、精巣の大きさ、ホルモン値が正常であることが多いため、医師から閉塞性無精子症と診断されます。
ただ、実際にTESEを行うと、非閉塞性無精子症でした。と言われるのです。
前の記事にも書きましたが、閉塞性無精子症であれば、TESEで97%精子が取れると言われました。非閉塞性となると一気に23%に下がります。
MAと全く疑わずに、TESEをして初めて気づくパターンは、無精子症患者の約10%だそうです。
Maturation arrestに治療法はあるの?
さて、ここで気になるのが、治療法です。
私たちは、無精子症と診断されて、藁をもすがる思いでTESEを行います。
基本的には、精子もしくは精子細胞がなければ、そこで自分の子どもを授かるという選択肢は無くなります。
ただ、私たちは、サルベージ内分泌療法というものを提案されました。
先生「可能性は低いですが、この治療をしてから2回目のTESEに進む方法もあります」
次回は、サルベージ内分泌療法について書いていきます。
コメント